AV50・・・川崎重工業の原付車 |
☆ カワサキが原付を作るとこうなる
川崎重工業の二輪ブランド、カワサキ。今から30年ほど前に原付パイクを作ったことがあります。他メーカーにはない味を出しています。
カワサキAV50。ちょっとヒワイなひびきがあるネーミング。 南アルプス市というところへ納車予定のバイク。 いろいろなパーツを交換して、本日、台風前にテスト走行。 前オーナーが大事に乗って保管していたようで、バイク自体の状態はとても良い。 燃料系の整備とパッキン類を交換している。 入手・または用意できなかった部品は前ブレーキワイヤーのみ。ワイヤーはホンダの物を加工して対処。
アイドリング・アクセル全開の燃焼状態は良好。 ハンドリング・充電性能・加速・エンジン音等のチェックをして問題ないことを確認する。
ぱっと見てホンダのカブ系エンジンのコピーのように見えるが、中身は全くの別物という感じ。 ホンダの軽いエンジン音とは違い、多少電気モーターというか車のエンジンに近いフィーリング。
ここで言うエンジン音とはマフラーからの排気音ではなくて、エンジンの回転音のこと。
おそらく、その違いはカムチェーンテンショナーの構造・エンジンケースの肉厚・軸受け部分の精度と規格などによるものだろう。
要するに振動なく、パワーがでているということ。
別の見方をすると過剰品質ということになるかもしれない。航空機まで作るメーカーが原付のエンジンを設計するとこうなる?
これは、経験から煮詰めていく設計ではなく、図面から計算したエンジンといえるかもしれない。
いちばん難しいのは、最小限度の部品で壊れにくいエンジンを作るということ。
経験することでしかデータ収集できないことは、性能のボーダーライン。 いわゆる、ギリギリの値。
それが解らないと、どうしても安全マージンを多く取るしかない。
ホンダのカブ系エンジンと違いオイルラインを外からパイプで設けているのは、クルマと同じやり方。
個人的には正解だと思う。 ホンダはこの部分のオイル漏れで、ガスケットの改良を数回行っている。
カムチェーンテンショナー。 大型バイクと同じ構造のものを採用している。 ホンダは単なるバネでの直押しタイプ。 エンジンを吹かしたときの音の違いはここから来ている。
面白いのはウインカーを取り付けているステー。 自転車のベルを取り付ける部品とほとんど同じ形。 ハンドルパイプに挟んで取り付けてあるのみである。
原付でも大型バイクと同じように緊急停止スイッチ(キルスイッチ)がついている。
果たして必要なのかと、疑問符がつく部分でもある。
AV50、グーバイクで調べたら当店含めて全国で3台の掲載のみ。 当店が売れたので、残り全国で2台のみとなる。
まさに、希少車。 骨董バイクです。